21世紀の「 姥捨て山 」とは
この頃の若い人は『 姥捨て山 』何だろう?
この言葉というくらい
なじみのない言葉になっている。
私もこの言葉を
久々に耳にした。
『姥捨て山』は1983年
深沢七郎の『 楢山節考 』(ならやまぶしこう)
という小説が話題になり
映画化されていたので有名だった。
突然に『 姥捨て山 』が登場したのは、もちろん訳がある。
『 21世紀の姥捨て山時代はやって来る 』
と聞いてしまったからだ。
現代の『 姥捨て山 』って、一体何のことだろうか?
介護保険制度を充実させても
消費税を上げても
追いつかない時代がやって来る?
未来の年金は激減しそう。
高齢者の介護や
医療費にかかる金銭はどんどん増えていく。
日本の高齢化は深刻
2020年9月の敬老の日あたりでは
しきりに、高齢化の現状が報道された。
日本の65歳以上の『高齢者』が
4人に1人となった
(全人口の24.1%)
2025年には3657万人(30.3%)
2036年には3人に1人
2065年には65歳以上が
2.6人に1人
2060年頃、 日本の人口は8674万人
若年層は 約1500万人
若い人1人が一体何人養う計算か?
到底、若い人達は、高齢者を養いきれない
若い人達は
働かなければならない
介護をしなくてはならない
今は楽観的に、考えられる時代かもしれないが
(実際には、直面している人もいるはず)
老化した人と生活することは容易ではない
ここ10年余りで、
いたるところにあらゆる種類の老人ホームができた。
今からの国の方針は
自宅介護(居宅介護)なのだ。
できるだけ
家族が見て行く方向なのだ。
今、高齢の人達は
このずっと先を見ることがない。
一番いい時代だったようだ。
いい時代を生きたのだろう。
ビートたけしの発言は極論か?
ビートたけし4つの提言 (「新潮75」2013年11月号)
・75歳からは選挙権を取り上げろ
・姥捨て山を復活させろ
・75歳からは医者にかかっちゃいけない
・切腹を復活させる
この話がとても面白い。
姥捨て山がなければ、若者たちは悪夢の世界となる
医者にかからないというのは、「自然に任せて生きること」
切腹とは尊厳死で自分で人生を選ぶこと
これから、
「高齢者」に突入する私達の在り方を、
見事に語っていると思いませんか?
21世紀の『 姥捨山 』とは何か?
さすがに、
昔のように、働けなくなった老人を
『 口減らし 』のために、
山に捨てることはできない。
今は、個人の尊厳が守られる時代だ。
ならば
21世紀の『 姥捨て山 』とは何になるのか?
私自身は、日本のそこら中にできた
『 老人ホーム 』が
この時代の『 姥捨て山 』と感じてしまう。
忙しく働く世代は
介護施設に親、配偶者などを
預けっぱなしになってしまうのだ。
病気を持ち、体が不自由になったり痴呆のある
『 高齢者 』との生活は楽じゃない。
昼夜逆転で、夜になると活動し
家族は夜、
当たり前に寝れない話をよく聞く。
つらそうだ。
高齢でも自立型と依存型がある。
最後まで、ほとんど他人に迷惑をかけないタイプと
生きていることに、
多くの若い力を必要とする人もいる。
介護とは、色々な場面で
口で言うほど、楽ではない。
しかし、これからの現状は
その『 姥捨て山 』にも
楽に入れてもらえない時代がやって来そうだ。
今も、市などの施設は
入居期間の制限があり
3か月したら自宅に
認知のおばあちゃんが帰ってきて
家族の生活が、
ひっくり返る状態の家庭を知っている。
介護する自分達も決して若くない
70歳代なのだ。
出来る限り
家庭で見て行く介護は
家族の過大な犠牲を伴う。
これからこんな家庭が増えていきそうだ。